手芸と生命科学がついに出会ってしまった!
筆者はあるとき、フリーウェアのタンパク質構造表示プログラムUCSF Chimeraを用いて、2008年度ノーベル化学賞で話題となった緑色蛍光タンパク質(GFP)の3次元構造を模式図的に描いてみた(左図)。
すると、偶然それを見ていた筆者の知人が、GFPの構造図をパーチメントクラフトとして表現したいと言い出し、快諾すると実際に作製してくれた(右図)。
パーチメントクラフトとは、厚手のトレース紙(パーチメントペーパー)にエンボスを施し、カードなどを製作する手芸であり、やわらかな風合いを特徴とする。
知人いわく「構造生物学の知識は何ら持ち合わせていないが、形が美しいから」作製してみたのだそうである。
生命科学は高度で特殊な世界だと思われがちであるが、この作品は「リビングに飾って楽しめる先端生命科学」というバイオアートの一形態を示すものである。
>UCSF Chimera homepage: http://www.cgl.ucsf.edu/chimera/
>緑色蛍光タンパク質(GFP)の3次元構造: Science (1996) Vol. 273. no. 5280, pp. 1392 – 1395,
Protein Data Bank ID = 1EMA
>パーチメントクラフトについてのWikipedia記事: http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%91%E3%83%BC%E3%83%81%E3%83%A1%E3%83%B3%E3%83%88%E3%82%AF%E3%83%A9%E3%83%95%E3%83%88